7年前の推しに命を救われた話
こんにちは、こさいです。本当にお久し振りです。
本題に入る前に、私の現状をなるべく分かりやすくお伝えします。
最初 重ッ と思うかもしれませんが、後半はただのオタクの咆哮なので
ポップな気持ちでお読みくだされば幸いです。
序:心因性の病気に罹って休職した話
破:7年前の推しキャラとまさかの再会を果たした話
急:推しがくれた力で今 闘病できている話
以上三部構成で参ります。
状況説明の補助として、その時々に描いたイラストも載せていきますね。
序:心因性の病気に罹って休職した話
私の職業はラジオパーソナリティ兼イベント司会者です。
副業として漫画やエッセイをかくこともあります。
このコロナ禍で地域のイベントが殆ど中止になったことで収入が大きく減り、
元々社員でもない私にとって今年は文字通り自転車操業の生活です。
ラジオの生放送ではバラエティ番組を担当しており、
こんな時こそリスナーさんには元気な声を届けなければと 躍起になっていました。
が、7月半ばにぶっ倒れてしまい、1カ月ほど入院を余儀なくされました。
原因について言及するとえげつない長さになるので割愛しますね。
診断された病名は「不安障害」です。
これは人によって症状も様々ということですので、あくまで私に顕れた異変をお伝えします。
・平衡感覚を失って歩けない
・話すスピードが大幅に落ちる、たびたび吃音が出る
・文字を認識できず、特に手書きのものはヒジキにしか見えない
・ここ数年で学習した語学系の知識がほぼ抜け落ちる
特に辛いのは 時折 訪れる発作で、病名通りとにかく滅茶苦茶な不安に襲われます。
呼吸が浅くなり冷や汗が止まらず手足も震え、頭の中は今すぐ何かに殺されるんじゃないかという得体のしれない恐怖で一杯になります。
全裸でゾンビまみれのラクーンシティに放り込まれるような感覚です。
発作はだいたい数分で治まるのですが、その数分間が本当に地獄。
識字できない、喋れないということでひと夏休職させてもらい、上記の症状がかなりましになった9月頃から仕事やオタク活動にも少しずつ復帰しました。
復職後は順調で、このまま快方へ向かうとばかり思っていました。
どちゃくそ甘い考えでした。
あんこ蜂蜜チョコレートのポワレくらい甘かったです。
元気になったと感じていたのは どうやら例えるところの予備電力が働いていただけであり、治ったわけではありませんでした。
9月末頃、再び識字能力の低下が発生したことに加え 視界が狭まったり食欲が落ちて、どんどん生きることへの気力がすり減っていきました。
こりゃおかしいぞと再度診察してもらい、先生曰く「もう少し来るのが遅かったら、鬱病を併発していたかもしれません」とのことで これには大変驚きました。
色々と調べてもらった結果、その時の私は「今までできていた仕事や作業の能率が落ちている、もしくはできなくなっている」ことで 大きく自己肯定感を失っている状態だったそうです。
「大好きなことをしてください、人目を気にしなくてもいい趣味があるなら ぜひやってください。」
そう促されても咄嗟には浮かばず、1週間ほど思い悩む日々は続きました。
破:7年前の推しキャラとまさかの再会を果たした話
私はゲームが好きです。まさに人目を気にしなくていい趣味です。
しかしながら、私が普段好んで遊ぶのはRPGが多く 物語が重厚であればあるほど膨大な文字数を読まなければなりませんでした。
その頃の識字感覚を敢えて表すなら、目から入ってくる日本語表記をわざわざGoogle日本語翻訳にかけて読んでいるような 要らない労力が挟まっている感じです。
読めないわけではないものの 通常よりMP消費が激しいので、RPGは諦めました。
そこで、ルールと操作方法を覚えているスポーツゲームなら遊べるかもしれないと思い至りました。
7年前、当時大学生だった私は 突然ハマったプロ野球のチームデータと野球ルールを覚えるために 実況パワフルプロ野球2013をアホほどやり込んだ時期があります。
パワプロならほとんど毎年新作が出ているし、試合中の出来事は堂前英雄アナウンサーが全て熱く実況してくれることでしょう。
私はゲームストアでパワプロ2020の購入画面を開き、
…開いたまではよかったのですが、ここで一つの懸念に駆られました。
この「は?」としか言いようがないパラドックスについて、どうか説明させて下さい。
~ここから過去編~
7年前、私は パワプロ沼にどっぷり浸かり、周囲に語れる人もいなかったため初めてTwitterでオタ垢を作りました。
同じ趣味を持った見知らぬ人達と交流できるSNSという世界にいたく感動し、暇さえあればTwitter…何はなくともTwitter、気付けばゴリゴリのツイ廃と化していたわけです。
ゲームのことだけ呟くつもりが いつの間にか私生活も脳内も垂れ流し。
そんな中、パワプロのサクセス(プロ選手を育成するストーリーモードのようなものです)で 人生初のガチ推しキャラができました。
紀乃光一くんと武野浩太くんです。
以下、便宜上キノコとタケノコと呼ばせていただきます。
二人とも野球部屈指の実力を持ちながらプロ志望ではなく、
キノコは芸能界のスターに、タケノコは農業界に革命を起こすべく農家を目指していました。
最初はビジュアルの面白さに多少惹かれた程度でしたが、シナリオ内でタケノコが「真面目過ぎて空気が読めず チームに迷惑をかける自分が許せない」という悩みを抱えており、反対に部内でいたずらばかりして緊張感のないキノコが理解できないと主人公に打ち明けるシーンがありました。
キノコはというとタケノコに対し「くそまじめすぎるからもっと笑ってほしい」と思っていたようで、その後二人は主人公の橋渡しもあり超絶低次元なダジャレ対決をすることになります。
結果、ダジャレのレベルの低さにドン引きする主人公をよそに キノコは「こういうとき普通真面目な返しはしない。普通じゃないということは、タケノコは面白い!」と評したことでタケノコが「本当によかった…」と安堵し なぜか3人でストロベリーパフェを食べに行くいうオチでした。
私は昔からよく言動がズレているだとかその発想はおかしいと言われていたので、タケノコほど真面目ではないにしろ 彼の悩みはわかりみ深し秋の空でしたし、キノコの言った「普通じゃないのは面白い」の包容力にはバブみが止まりませんでした。
この二人のイベントが本当に大好きで、好きすぎて、使えもしないシンセサイザーでオリジナルソングを作ってしまったほどです。
この頃の創作意欲はどうかしていました。
※「くそまじめ」という曲。のちにほんとにリリースした
キノコタケノコを毎日のように描き、Twitter上では息をするように「たけきのちゃん」と呟き、フォロワーさんからは完全に「キノコ&タケノコの人」と認識されていました。
彼らのおかげで本当に楽しい日々でした。
特にキノコの「みんなを楽しませたい、笑ってほしい」という信条に深く感銘を受け、芸能界のスターでなくとも そういった職業に就きたいと思うようになりました。
が、私の声が大きくなり過ぎたのかもしれません。
知らず知らずのうちに嫌な思いをさせてしまった方もいらっしゃったでしょう。
ある時を機に複数の匿名アカウントから誹謗中傷が届くようになり、そのうち私用のアンチスレッドが立てられURLが送られてきました。
こういった 姿の見えない悪意に全く免疫のなかった私は、スレッドに書かれた私に対する非難にも動揺しましたが 何より私のせいでキノコタケノコまで悪く言われていたことが申し訳なくて、Twitterアカウントを消し その後一切パワプロには触れないように生きてきました。
ちなみに、一番信頼を寄せていたフォロワーさんに全てを報告・相談していたのですが、その人が黒幕だったことを後々になって知りました。そうです私が大うつけ者です。
昔話を長々と失礼しました。
こういった経緯があったので、凄く悩んだのです。
でも、7年前と今は違います。パワプロに罪はないし、何よりあれだけワクワクに溢れた日々をくれたゲームです。
私はパワプロ2020を購入し、7年振りに打席に立つことを決めました。
登場キャラクターだって入れ替わり続けているのですから、案ずることは何もないはずです。
ところが、
い……
いる………!!!
二人が登場した瞬間、リアルに心臓がヒュッとなる感覚を味わいましたし、
頭が真っ白になって たっぷり30分はコントローラを持ったまま動けませんでした。
しかも我に返ったとき、涙腺がぶっ壊れたのか わんわん泣いてしまいました。
いやほんと あたおかと言われても仕方ないかもしれませんが、テレビに縋りつく勢いで泣き散らかしました。
同時に、彼らが心の底から好きだったんだと思い知らされました。
私がラジオパーソナリティーになったのは、エンタメ担当になったのは、二人に憧れたからだと。
ズレていても普通じゃなくても 誰かを笑顔にしたいからだと、薄れかけていた根幹を取り戻すことができたのです。
因みに彼らを仲間にするには倒す以外の方法がなかったので、心は痛みましたがK.O.させてもらいました。
急:推しがくれた力で今 闘病できている話
現状、私の不安障害は全治したわけではありません。
今でも時たま発作が起きたり、識字が難しく感じる瞬間もあります。
絵を描くのにも手が震えてなかなか思い通りにはいきません。
心因性の病を乗り越えるには気力、体力、何より時間が必要なんだそうです。
でも、先のことが見えない生活を後ろ向きに考えるのはやめました。
私は人に笑ってもらうことが大好きです。
楽しいことを考えるのが生き甲斐です。
実力があるわけでもなければ 作品を仕上げるスピードだって落ちてしまったけれど、
これからも創作活動を続けていく気力をもらいました。
誰か一人でも私の作品を見て楽しい気持ちになってくれたら、これ以上の喜びはないと思います。
ありがとう、紀乃くん 武野くん。
私はあなた達が大好きな自分 という存在を、少しずつ好きになりたいです。
あとこれは誰のせいでもないのですが、
7年前 どちらかといえばタケノコ×キノコ(BL)と思っていた私と
今のキノコ×タケノコ(百合)派の私で 人生初の解釈違いを起こしてしまい
復元できた過去作のほとんどが受け容れられないという地獄の地獄みたいなことになっています。
他の方の作品でそう思ったことはただの一度もないのですが、こんなに違う!!!と感じることってあるんですね。これってトリビアになりませんか?
悔しいので物凄くゆっくりではありますがSSを書き直しています。執念。
なっがいなっがい自分語りをここまでお読みくださり、本当にありがとうございます。
そして もしよろしければ、この記事を一人でも多くの 心の病と闘っている方に届けるお手伝いをしていただけないでしょうか。
ただのいちオタクの体験談ではありますが、こうやって闘っている変な人もいるんだからやれるだけやってみようかなと感じてくださる方がいらっしゃることを願っています。
そして今、もしあなたが闘っているのなら、どうか私にも寄り添わせてください。
共に乗り越えていきましょう。
ありがとうございました。
2020/11/18追記
お陰様で、昨日一日で1000PVを越える反響を戴き大変驚いています。
あたたかいコメントもありがとうございます、
勇気を出して記事にしてよかったと、また力を貰えました。
次回からはまた いつものシュールおふざけブログに戻ると思いますが、
この記事は私の中で大切な楔になりました。
繰り返しになりますが、本当にありがとうございます。
#パワプロ #推し #不安障害